泣いた、緋鬼
それをホンの少量体にかけると、希は大きく息を吸った。

そして、バイクのエンジンを入れる。







「――――行ってくるよ、幻夢」





家を見上げてそう言うと、希はまだ明るい町に走りに行った。


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――――――――
――――――――――………


「本ッッッッ当すいません‼総長」

パンっと音がなるくらい強く、慶太は手を合わせて謝罪した。





―――何故こんなことになっているかと言うと…。







気晴らしで町を走っていた希と、運転がド下手すぎて一ヶ月に一回は事故ると評判の慶太が交通量の少ない曲がり角でぶつかったところからはじまる―――。





そのせいで、希のキズ1つ無かったバイクは派手に傷がつき、希自身も足から流血していた。






「俺が前見てないから、また総長に怪我させちゃって―――!責任取るっす!」






「いや、先ずお前学校は?」

希が涙目で謝罪する慶太に突っ込むと、慶太は分かりやすく目を泳がせた。
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