泣いた、緋鬼
病室に響くくらい大きな声で言うと、彼はバタバタと慌ただしく走っていく。
「………」
その背中を見つめながら、ほんの少しだけ罪悪感がわいた。
彼の気持ちに何となく気づいておきながら、どこかで気づかない振りをしている。
彼だって、私が恋愛できないのは重々承知のはずだ。
「―――未菜、居る?」
突然聞こえてきた希くんの声にはっとする。
いけない、トリップしていた。
「居るよ」
私が答えると、希くんはひょっこりと窓から顔を出して、それから窓枠を乗り越え、中に入ってくる。
「―――今日は普通に入ってきたんだね」
前回の事を思い出して少し意地悪に言うと、希くんはプイッと赤くした顔をそらした。
「………」
その背中を見つめながら、ほんの少しだけ罪悪感がわいた。
彼の気持ちに何となく気づいておきながら、どこかで気づかない振りをしている。
彼だって、私が恋愛できないのは重々承知のはずだ。
「―――未菜、居る?」
突然聞こえてきた希くんの声にはっとする。
いけない、トリップしていた。
「居るよ」
私が答えると、希くんはひょっこりと窓から顔を出して、それから窓枠を乗り越え、中に入ってくる。
「―――今日は普通に入ってきたんだね」
前回の事を思い出して少し意地悪に言うと、希くんはプイッと赤くした顔をそらした。