泣いた、緋鬼
「総長ー、僕のところは終わったよー」

遠くから一台のバイクが俺の前に停まる。



――誠だ。



相変わらず、整った顔をしてやがる。

「異常は?」

「なし。ファミレス前にスッゴい美人な女の子が居たくらい」

「そう言う情報は要らねぇ」

全く…、誠も将太も性格が似ていて困る。

「そうちょー、徘徊終わったっす」

「希さん、自分の所も終わりました」

次々と俺の仲間が集まってくる。

「よっしゃ、行くか」

部下から渡されたヘルメットを装着して、バイクに股がる。

え?俺が何者かって?

この町を牛耳る暴走族幻夢(げんむ)の総長。





《緋鬼》こと、宮家希だ――――!


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