泣いた、緋鬼
「私、炭酸って久しぶりに飲むかも」

ポツリと呟くと、希くんが驚いた顔をする。

「マジかよ?俺なんか毎日飲んでるぞ」





「アハハ。そうっぽい。――――お見舞いで炭酸持ってくる人が居ないからさ、あんまり飲まないんだ、炭酸は」





それとなく言った言葉に、希くんは首を傾げる。

「お見舞い?俺、別にそういうつもりで来たんじゃないけど」

「え?」

希くんの言った言葉に困惑する。

お見舞いじゃないのに、どうして私の所に来てくれたんだろう?

私が不思議に思っていると、希くんは私の目を見て真っ直ぐに言った。

「俺、未菜に会いたくて来たんだよ」
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