泣いた、緋鬼
バイクを停めて、倉庫に入る。

中の状況は絶望的だった。

大半の奴等は床に寝そべり、かろうじてまだ残ってる奴等も既にヘロヘロ。

まだ余裕そうなのは、族一番の色魔、誠だけだった。

「おーおーおー、これはこれは。やっと現れたみてぇだな。《緋鬼》さん?《碧鬼》さん?」

一段と低くてでかい声が響いたと思ったら、大柄な男が俺の仲間を地面に投げ捨て、ニヤニヤと嫌な笑いを浮かべていた。




―――鳳凰の総長だ。



「―――やることがきたネェぞ……。てメェら…」





キツく睨んでも、相手は怯む様子もなく笑い続ける。

「これが俺らのやり方なんでね。悪いがお前らは今日で消えてもらう」
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