私の彼はボランティア部の部長!!
名前も、顔もわからない誰かの血があたしの体を今も流れている。血を分けてくれた誰かのおかげで、あたしは元気に生きている。

「だから、献血の大切さを伝えたい!それがあたしにできることやから」

あたしがそう言うと、突然聖夜くんが「四葉!!」と抱きついてきた。突然のことにあたしは驚く。でも、とても心地いい……。

「暑いよ〜……。あたし、汗かいてるし」

あたしが苦笑すると、聖夜くんは「献血をしてくれた人にお礼が言いたいくらいだ!」と泣き出しそうな声で言う。

「……ありがと」

あたしは聖夜くんの背中に腕を回した。



そして、迎えた献血ボランティアの日。あたしはスピーチの原稿を手に、スピーチの時間を待っていた。

「献血にご協力お願いします!」

そう言いながらボランティア部の部員はティッシュを配る。献血をしてくれる人もいた。

やがて、スピーチをする時間がやってきた。あたしは聖夜くんと見つめ合う。聖夜くんは「大丈夫やよ」と言いたげな目をしていた。
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