敏腕社長は哀しき音色に恋をする 【番外編 完】
もとより自由奔放だった姉は、しばらくの間落ち込んではいたものの、怪我の治りと同時に本来の明るさを取り戻していった。
やがて、看護師になるという新しい夢に向かって歩き出した。
1年間休養しながら勉強を頑張った姉は、翌年の春、看護学校に合格をした。
そして看護学校を卒業すると、総合病院の小児科で働き始めた。
院内でイベントがある時なんかは、姉が簡単な曲をキーボードで弾いて、子ども達を楽しませているらしい。
そして、病院で知り合った医師の洋太さんと結婚をした。
「華、ピアニストになるっていう私の夢は叶わなかったけど、未練も後悔も全くないのよ。あの時、華をかばえて良かった。
だから華、あなたは何も負い目に思うことはないのよ」
姉は私にそう言い続けている。
でも、私は考えずにはいられなかった。
ー怪我をしたのが私だったらー
私だけがのうのうとピアノを続けるなんてできない。
父も母も、誰も私を責めることはしなかった。
だから私だけは私を責め続けてきた。
ピアノを弾かなくなった私は、次第に人との関わりも避けるようになっていった。
やがて、看護師になるという新しい夢に向かって歩き出した。
1年間休養しながら勉強を頑張った姉は、翌年の春、看護学校に合格をした。
そして看護学校を卒業すると、総合病院の小児科で働き始めた。
院内でイベントがある時なんかは、姉が簡単な曲をキーボードで弾いて、子ども達を楽しませているらしい。
そして、病院で知り合った医師の洋太さんと結婚をした。
「華、ピアニストになるっていう私の夢は叶わなかったけど、未練も後悔も全くないのよ。あの時、華をかばえて良かった。
だから華、あなたは何も負い目に思うことはないのよ」
姉は私にそう言い続けている。
でも、私は考えずにはいられなかった。
ー怪我をしたのが私だったらー
私だけがのうのうとピアノを続けるなんてできない。
父も母も、誰も私を責めることはしなかった。
だから私だけは私を責め続けてきた。
ピアノを弾かなくなった私は、次第に人との関わりも避けるようになっていった。