敏腕社長は哀しき音色に恋をする 【番外編 完】
幸せ気分のまま、2人で恭介さんのマンションへ戻った。
そして、リビングのソファーに促されて座ると、恭介はぴったりとくっついて座って、私を抱きしめてきた。


「華、華……ありがとう」

そう言って、私の肩に顔をうずめた。



「華、もう一時も君と離れていたくない。華の心も体も、全部僕のものにしていい?」

「……はい」

真っ赤になって俯いていると、

「華、顔を上げて」

と促される。

そっと顔を上げると、優しく口づけされた。
何度も、何度も。

「口開けて」

おずおずと言われる通りにすると、さっきよりももっと深い口づけをされた。
気持ちよくて、くらくらしてくる。
思わず恭介さんの服の袖口を掴むと、不意に抱き上げられた。
驚いて恭介さんの首に腕を回すと、嬉しそうに微笑んで、また口づけをされた。
そのままベッドに運ばれ、私をそっと降ろすと、また何度も何度も口づけをして、そっと押したをしてきた。

「華、愛してる」

「私も……」






初めての痛みも忘れるぐらい、素敵な時間だった。
恭介さんのすることは全部優しくて、温かくて、もうこれ以上ないぐらい幸せな気持ちにしてくれた。


「華、これで、君の全部が僕のものだ。一生、大切にする」

「はい。私も恭介さんを一生大切にします」

ぎゅっと抱きしめ合って、素敵な余韻に浸りながら眠りについた。
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