敏腕社長は哀しき音色に恋をする 【番外編 完】
その後訪れた恭介さんの実家は、私の想像をはるかに超えた立派なおうちで、気後れしてしまった。
しかも、勤め先の会長のお宅なわけで……


そんな私におかまいなく、恭介さんはブザーをならして中に入るように促した。


すごく心配していたけど、恭介さんのお父様もお母様も気さくな方で、私を歓迎してくれた。

「恭介ったら、もう36歳だっていうのに、浮いた話の一つもなかったから心配してたのよ。
それが突然結婚したい子がいるって言うから、もう嬉しくって。
しかも、こんなかわいくて若い子で。華ちゃんがお嫁に来てくれるなんて、もう大歓迎よ。
華ちゃん、ありがとう。これからよろしくね」

「は、はい。こちらこそ、よろしくお願いします」





恭介さんの実家を出ると、さっきの宣言通り、そのまま婚姻届を提出しにいった。

「おめでとうございます」


思わず笑顔になった。
私、本当に恭介さんのお嫁さんになったんだ。



「華、こらから一生離さないから」


「はい。私も一生恭介さんについていきます」





END
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