敏腕社長は哀しき音色に恋をする 【番外編 完】
番外編

敏腕社長は妻の気持ちを推し量る

華と結婚して3ヶ月が経った。
毎日が幸せでいっぱいだ。

相変わらず、華は言葉よりもピアノで気持ちを語る。
本人は「ピアノで語る?」と首を傾げていて、全く自覚がないようだ。
華の気持ちをいつも知りたくて、クラッシックのピアノの曲を勉強しているのは秘密の話だ。




とある日曜日のこと。
気持ちの良い青空が広がっていた。
一通りの家事を2人ですませると、華がピアノを弾き始めた。


ーショパン 〈仔犬のワルツ〉ー


軽快なメロディーを心底楽しそうに弾く華。
きっと華には今、草原を走り回る仔犬が見えているのだろう。

弾き終えて一息つく華に声をかけた。

「華、天気もいいし、公園まで散歩しようか?」

「いいの?行きたい!!サンドウィッチでも作って行こう!」

嬉しそうに笑って言う。
僕と一緒にいることにすっかり慣れ、心を開いた華は砕けた話し方をするようになった。
嬉しい限りだ。




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