敏腕社長は哀しき音色に恋をする 【番外編 完】
玄関を閉めるとすぐに、華を抱きしめてキスをした。

「…ん……ん…」

だめだ、止められそうにない。
華を抱き上げて靴を脱がすと、そのまま寝室へ向かった。

「き、恭介さん!?」

「ごめん、華。
華をとられるんじゃないかって、不安なんだ。お願いだから、華を一番近くで感じさせて」

華はまだ少し困惑しているようだったけど、体の力を抜いた。

それから、何度も華を抱いた。


華を抱きしめながら、乱れた呼吸が落ち着くのを待った。



「ごめん、華」

「恭介さん、どうしたの?」

「……今日の演奏は、本当に素晴らしかった。でも……」

「でも?」

「必要なことだとわかっていても、華が僕以外の男と、何度も目を合わせるのを見て、嫉妬したんだ」

「恭介さん……」

「ごめん。疲れている華に無理させたね。
情けないところも見せちゃったし」

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