敏腕社長は哀しき音色に恋をする 【番外編 完】
5
月日は流れ、22歳になった私は、大手の須藤コーポレーションに就職した。
日々忙しなってしまったものの、スタジオ通いは続いている。
羽山先生のスタジオに訪れてから、少しずつピアノの練習を再開した私は、先生の勧めで今までに弾いたことのなかったジャンルにも挑戦している。
先生の奥様であり、ピアノ講師も務めている佐織さんは、専門がジャズピアノだということもあり、時々私にジャズピアノを教えてくれる。
「佐織さん、私もう自分で働いてお金を稼ぐようになったんだから、ちゃんとレッスン料を払います」
「だめよ。私も主人と同じで、華ちゃんのファンなの!それに、これはレッスンじゃなくて私の趣味で教えているの。だから、お金は不要よ。
華ちゃん一人暮らしをしてるんでしょ?私に払ったつもりのお金は、自分のことに使いなさい。
華ちゃんは、私の娘みたいなものなんだから」
そう言って、決して私からお金を受け取らない。
相変わらずピアノは趣味で弾いてるだけだから、コンクールなんかには一切出ていない。
だから、成績を残して先生の名前を広めることもない。
先生には何のメリットもないのに、たた私のピアノのファンだからと、もう何年にも渡って私を支えてくれる。
日々忙しなってしまったものの、スタジオ通いは続いている。
羽山先生のスタジオに訪れてから、少しずつピアノの練習を再開した私は、先生の勧めで今までに弾いたことのなかったジャンルにも挑戦している。
先生の奥様であり、ピアノ講師も務めている佐織さんは、専門がジャズピアノだということもあり、時々私にジャズピアノを教えてくれる。
「佐織さん、私もう自分で働いてお金を稼ぐようになったんだから、ちゃんとレッスン料を払います」
「だめよ。私も主人と同じで、華ちゃんのファンなの!それに、これはレッスンじゃなくて私の趣味で教えているの。だから、お金は不要よ。
華ちゃん一人暮らしをしてるんでしょ?私に払ったつもりのお金は、自分のことに使いなさい。
華ちゃんは、私の娘みたいなものなんだから」
そう言って、決して私からお金を受け取らない。
相変わらずピアノは趣味で弾いてるだけだから、コンクールなんかには一切出ていない。
だから、成績を残して先生の名前を広めることもない。
先生には何のメリットもないのに、たた私のピアノのファンだからと、もう何年にも渡って私を支えてくれる。