敏腕社長は哀しき音色に恋をする 【番外編 完】
「それは心配いらないですよ。あなたの演奏は私が保証します。それに、最近はジャズピアノにも挑戦しているのも強みです。
もちろん、クラッシックの曲も選曲できますし」
「そうですか。ただ、会社の規則で副業は禁止されているんです。だから、引き受けたとしてもお金はいただけません」
「なるほど。
あくまで、神崎さんが弾きたいと思ってくれてることが前提ですが、お金を受け取らない代わりに選曲を自由にさせてもらうとか、少しだけわがままな条件を入れたらどうです?
お店はピアノ演奏をしてもらえるし、神崎さんは発表の場が得られるし」
「少し考えさせてもらってもいいですか?」
「もちろんです」
「あっ、華ちゃん来てたのね!!」
「佐織さん!」
「佐織、今神崎さんにバーの演奏の話をしたよ」
「そうなの。華ちゃん、どう?やってみない?」
「興味はあるのですが、自信がないというか……」
「そっかぁ。じゃあ、次の金曜日にでも一度見に行ってみましょうよ。その方が華ちゃんもイメージしやすいでしょ?」
「それはいい。
神崎さん、どうですか?」
「はい。ぜひ連れて行ってください」
こうしてその週の金曜日に、先生夫婦に連れられてバーを訪れた。
ーBar やどり木ー
そのお店は会社から近くにあり、雰囲気がとても良かった。
ピアノは店の奥に置かれていて、どの席からも視界に入った。
この夜の演奏はボサノバから始まった。それからクラッシックとジャズが数曲。
多くの人がピアノに耳を傾けていて、決してBGMになりきるのではなく、きっちりとステージとして成り立っていた。
もちろん、クラッシックの曲も選曲できますし」
「そうですか。ただ、会社の規則で副業は禁止されているんです。だから、引き受けたとしてもお金はいただけません」
「なるほど。
あくまで、神崎さんが弾きたいと思ってくれてることが前提ですが、お金を受け取らない代わりに選曲を自由にさせてもらうとか、少しだけわがままな条件を入れたらどうです?
お店はピアノ演奏をしてもらえるし、神崎さんは発表の場が得られるし」
「少し考えさせてもらってもいいですか?」
「もちろんです」
「あっ、華ちゃん来てたのね!!」
「佐織さん!」
「佐織、今神崎さんにバーの演奏の話をしたよ」
「そうなの。華ちゃん、どう?やってみない?」
「興味はあるのですが、自信がないというか……」
「そっかぁ。じゃあ、次の金曜日にでも一度見に行ってみましょうよ。その方が華ちゃんもイメージしやすいでしょ?」
「それはいい。
神崎さん、どうですか?」
「はい。ぜひ連れて行ってください」
こうしてその週の金曜日に、先生夫婦に連れられてバーを訪れた。
ーBar やどり木ー
そのお店は会社から近くにあり、雰囲気がとても良かった。
ピアノは店の奥に置かれていて、どの席からも視界に入った。
この夜の演奏はボサノバから始まった。それからクラッシックとジャズが数曲。
多くの人がピアノに耳を傾けていて、決してBGMになりきるのではなく、きっちりとステージとして成り立っていた。