敏腕社長は哀しき音色に恋をする 【番外編 完】
「それは困りましたね……」

「あらあら、さすが華ちゃんね。本領発揮したら、やっぱり周りが黙っていないわね」

「さ、佐織さん、どうしましょう……」

「大丈夫よ。加織に協力してもらって、普段とも今夜ともまた違った華ちゃんに変えちゃいましょう」

そういうと、佐織さんは男性陣に部屋から出てもらい、加織さんに連絡をし始めた。




しばらくすると、ドアがノックされた。


「姉さん、華ちゃん、お待たせ」

そう言って、加織さんが入って来た。

「華ちゃん、はいこれね。服は、ジーンズと白のブラウス。華ちゃんはあまりカジュアルな服を着ないって言ってたからね。
あと、髪はショートのウィッグね。
そらから、メイクは普段より少しだけ派手目にして……」

そう言いながら、加織さんは手を進めていった。
私が一人でもできるようにと、しっかり教えてくれた。

「加織さん、すごい!!また違う人になったみたい!!」

「あはは。このまま店内に戻って飲んでも、さっきのピアニストだなんて、だれも気づかないね」

「本当、カジュアルな華ちゃんも素敵よ!!」

「お二人とも、ありがとうございます」


羽山先生や柿本さんも、

「これはまた別人のようですね」

とお墨付きをもらい、そのまま無事に帰宅した。
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