敏腕社長は哀しき音色に恋をする 【番外編 完】
「それで、常連さんで身元がしっかりしている社長さんがいらっしゃるのですが、ぜひご子息とお見合いをとおっしゃられるのですが……」
「えっ?」
「ご子息も来店されていて、一目惚れされたそうですよ」
「すみません。やっぱりそういったことも全てお断りをしてください」
「そう言われると思ってました。大丈夫。うまくお断りしておきますね」
「このことでお店を悪く言われませんか?」
「心配いりませんよ。あなたの演奏はそれ以上のものですから」
こうして、周りの人に守られながらバーでの演奏を続けた。
常連さんは、店員さんに聞いても私の情報を得られないとわかってくださり、無理に聞き出そうとせず、ピアノを楽しんでくださるようになったと柿本さんから聞いた。
柿本さんは、私の将来に繋がるかもしれないからと、名刺だけは受け取って、私がいつでも見られるように専用のファイルを用意して保管してくれている。
そこに納められた名刺は、着々と増えているようだ。
「えっ?」
「ご子息も来店されていて、一目惚れされたそうですよ」
「すみません。やっぱりそういったことも全てお断りをしてください」
「そう言われると思ってました。大丈夫。うまくお断りしておきますね」
「このことでお店を悪く言われませんか?」
「心配いりませんよ。あなたの演奏はそれ以上のものですから」
こうして、周りの人に守られながらバーでの演奏を続けた。
常連さんは、店員さんに聞いても私の情報を得られないとわかってくださり、無理に聞き出そうとせず、ピアノを楽しんでくださるようになったと柿本さんから聞いた。
柿本さんは、私の将来に繋がるかもしれないからと、名刺だけは受け取って、私がいつでも見られるように専用のファイルを用意して保管してくれている。
そこに納められた名刺は、着々と増えているようだ。