敏腕社長は哀しき音色に恋をする 【番外編 完】
「私になんか、もったいないお言葉です」

「そんなことありませんよ。これからも、我が社のために頑張ってくださいね」

「はい」

「それでは、わざわざ来てくれてありがとう」


社長に促されて立ち上がり、退室しようとした時、緊張からかよろけてしまった。


「危ない!!」


とっさに伸ばされた社長の腕に抱きとめられた。

「ふぅ。無事で良かった」

「す、すみません。ありがとうございました」

真っ赤になってうつむいてそれだけ言うと、そそくさと社長室を後にした。
< 39 / 126 >

この作品をシェア

pagetop