敏腕社長は哀しき音色に恋をする 【番外編 完】
繊細でいて、どこか酔った雰囲気のクラリネットソロに始まり、ミュートをつけておどけたような音のトランペットがバトンを受ける。
まるで、このやどり木での一場面のようだと思う。
それらオーケストラの全ての音をピアノ一台で表現する。
こうして一度演奏を始めれば、周りは一切目に入らない。
最後の音を弾き終えると、一斉に聞こえてきた拍手にハッと意識を戻した。
「なんて素晴らしい演奏だ」
「まるでオーケストラが後ろにいたようだ」
その後、2曲ほど弾いて演奏を終え、席を立った。
うそ……
昨夜と同じ席に須藤社長がいて、こちらを熱く見つめながら拍手をしていた。
私は動揺を隠しながら、そそくさと控え室に戻った。
まるで、このやどり木での一場面のようだと思う。
それらオーケストラの全ての音をピアノ一台で表現する。
こうして一度演奏を始めれば、周りは一切目に入らない。
最後の音を弾き終えると、一斉に聞こえてきた拍手にハッと意識を戻した。
「なんて素晴らしい演奏だ」
「まるでオーケストラが後ろにいたようだ」
その後、2曲ほど弾いて演奏を終え、席を立った。
うそ……
昨夜と同じ席に須藤社長がいて、こちらを熱く見つめながら拍手をしていた。
私は動揺を隠しながら、そそくさと控え室に戻った。