敏腕社長は哀しき音色に恋をする 【番外編 完】
お風呂を済ませ、恭介さんと一緒にベッドに入った。

「華、おやすみ」

そう言うと、軽くキスされた。
恭介さんは、私があたふたしているのを見て、くすりと笑った。

「手は出さないと約束したけど、キスと抱きしめるぐらいは許して」

そう言うと、恭介さんは私を引き寄せてぎゅっと抱きしめた。
どきどきしすぎて寝られないと思っていたけど、恭介さんから伝わる体温が心地よくて、気付けば朝になっていた。

「ん……おはよう、華」

私が身動きしたのが伝わったのか、恭介さんが目を覚ました。

「お、おはようございます」

「はあー、目を覚ましたら隣に華がいるって、幸せだなあ」

なんだか気恥ずかしくて、全身が熱くなってしまう。

「き、恭介さん。私、朝食の用意をしてきます」

「休日なんだから、そんなに急がなくてもいいのに」

そう言いながら、私の頭に口づけをしてくる。

「で、でも……」

「あはは、わかった、わかった。そんなに照れちゃって、かわいい」

照れ隠しに、急いでベッドを抜け出す私に、恭介さんはくすくす笑っていた。


どきどきして、今にも壊れそうな心臓を落ち着かせながら、身支度を整えて朝食の用意をした。
そうしているうちに、着替えを済ませた恭介さんがリビングに入ってきた。


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