【桃・中編・画】金魚の居る場所
らんちゅう?再び
「せっかくだから一緒に食べませんか?」のお誘いに「今日は仕事のミスのリカバー祝いに」飲みに来たのです。
と内情をうちあけた。飲みに、この※※※※で食事をとらずに帰るのは「お料理に対する冒涜」です。と、彼は言った。
気味のいい話に「ふらふら」しながら。
でも私はダイエッターと「ゆづお」の事を思い出した。この彼は単にボッチ飯が嫌なだけの金魚好き。に見えるが、そうじゃなかったら、危険だ。
私はそう思って「今日はお祝いにアルコールを飲むのが目的なのです」だから、一緒に「ご馳走」をいただけません。と、素直に謝った。アルコールなら別の店にもあるのにと彼は呟いた。「リーマンOL」の金魚達に、接客してもらいたいから。と、本音を話すと、彼も頷いた。
「判るわかる」
この店※※※※の金魚の見せ方って「エロい」もんなと、気さくに話しかけてきた。だから、僕も「ボッチ飯」して見て味わい、つまんで味わうの好きなんだ。と、爽やかに笑った。マジな顔ばかりしてるから、笑顔は反則だと思った。
「カッコいい」と思った。そして「ゆづお」の事を思い出した。「私、バツイチだし、再婚相手の婚約者」います。と、急いで話した。そしたら、にぱぁっと、赤ちゃんの様に、彼の表情が弛んだ。
「僕も操は此処の金魚達に捧げている」から、心配はご無用だよ。と、けらけら笑いだした。ほらモグラの「あやか」を楽しむ俳優の「りょう」みたいなものだからと、どっかで聞いたフレーズに多少安堵するも、私だ。私の聴覚情報が漏れてるから、友好的にふるまっている(フリ)のか?と波乱をもたらした。
「従業員さんが待ってますから」と下に戻ろうとすると右手を捕まれた。「それキャンセルして、一緒に飲まない」と、また誘われた。「今日は勘弁」握られた手を解放しようにも力強くて出来ないから、お願いと、話すことを私は頼んだ。
じゃあ「僕の連絡先教えますから、あなたの携帯に保存してください」とマジな顔で話された。私はこの場を逃れるチャンスとばかりに、渡されたメモをその場で携帯のアドハイス帳に登録した。それを見て満足した彼は「じゃあ、またね」と、笑顔で私の前から立ち去った。
私は、携帯の電話番号とメールアドレスから同じメーカーのユーザーと知った。
妹と義弟が「2・3年シバリ」があるから嫌っているメーカーだ。でも、このブランド能力に惹かれているし、メアドを変えたくないから、私には、向いてると思ってたら彼もだった。えーっと名前は確か「のりお」さん。って会社の技術畑でお世話になった課長とお揃いか?
「ひろむ」先輩「ひろし」先輩の上司のあの課長は今の課長と違って、あたたかかったなぁと、しみじみ想う。嫌われ者の私に「人間は合う人と合わない人が居るから、合う人と仲良くすれば良いんだ」と教えてくれたお見合い結婚を強調する初老の誰でも明るく見えるイケメン。
私の「まき」の「き」が「のりお」の「のり」と同じ漢字だから、占いか宗教にさだめられた運命の出会いなんだろうなとしみじみ思ったものだ。そのなんだ。彼の事はよく知らないが「のりお」さんという名前に、いけない「安堵する」私だった。また会えるといいなら私の連絡先も、交換すれば良いのだし。今日は大人しく順番待ちに戻ってアルコールを乾杯しよう。階段を急な斜面が、怖いので、ゆっくり降りるとちょうど、あとからのんびり降りてきた「のりお」
さんが「お先に」と言って会計をすませて、ドアをあけた。最後に振り返って、会釈をすると「彼の住まい」へと帰っていった。私はこのやりとりに、どきどきしてた。従業員に案内されて二人連れ様の座席に座る。
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