Mein Schatz

神父様の前で愛を誓い、銀色に輝く指輪をはめる。そして誓いのキスをした。キスをエヴァンとクラウディアがしたことで、父親とリヴァイはどこか安心したような表情をしている。

こうして、二人は夫婦になった。



エヴァンとクラウディアは、父親が用意した新居となる屋敷に早速住むことになった。

夜、お風呂に先に入ったエヴァンはベッドに腰掛ける。「夫婦だから」と寝室を同じ部屋にされてしまったのだ。

「今日突然夫婦になったのだが……」

エヴァンはため息をつく。その時、ゆっくりとクラウディアが寝室に入って来た。しかし、ベッドには近づかずにドアの前で恥ずかしそうに立っている。

「クラウディア？」

エヴァンが訊ねると、クラウディアは顔を赤くして「ま、待ってください！心の準備が……まだ……」と目をそらす。

「一体何の話をしているんだ？」

エヴァンが訊ねると、クラウディアは真っ赤な顔のまま小声で言う。

「……その……結婚する前に働いているメイドから聞いたんです……。結婚した初日の夜に……あ、あんなことをするって……」