real face
「だ、大丈夫です。ちょっと体調が悪くなったみたいで。そこのテーブルで休みますから、宮本さんは早くまひろさんを……」
くそっ!こんな状態の霧島さんを1人置いて行けるかよ。
あ、いるじゃないか。
迫田がこっちに向かって走ってくるのが見えた。
「霧島?どうしたんだ」
「迫田、すまないが霧島さんを頼む。そっちのテーブルで休ませてやってくれ。俺は、行かなきゃいけないんだ」
「え、行くって何処へ?ちょっと、宮本課長!?」
ここから吊り橋までは山道を登らなければ行けない。
まひろの姿は見えないから、かなり先に行ってしまったんだろう。
足場が悪いから、滑ったりして怪我をしてなければいいが。
早く早くと焦るほどに足が岩に取られ、思うように先に進めない。
焦るな、落ち着け……。
それにしても変だな。
修一の目的は一体何だったのか。
翔と菜津美が2人きり?
疑問ばかりが頭に浮かんでは、答えが見つからずに消えていく。
とにかく、今はまひろだ。
アイツ、あの吊り橋を1人で渡るつもりか。
やっと吊り橋が見えてきた。
まひろの姿はない。
どこだ……まひろ!
はあ、はあ、はあ…………。
走ったのと気が焦っていたせいで、息が切れて苦しい。
俺、もうすぐ34歳だし、いつまでも若いつもりではいられないな。
吊り橋に目をやると、まひろがゆっくりと渡っているのが見える。
怖いくせに、勇気を振り絞って……。
翔のために必死になっているまひろの様子を目の当たりにして、胸が熱くなった。
もう俺の出番なんてないと思ってたけど、ここに翔がいないから、今だけは……。
俺にまひろを守らせてくれ、翔。
吊り橋をなるべく揺らさないように気を付けながら、それでも急ぎ足でまひろの元へと向かう。
震える足で少しずつ歩みを進めていたまひろだったが、急に立ち止まり、その場に崩れ落ちるようにしゃがみこんだ。
マズい、気を失ったんじゃないか!?
「まひろ!」
小さく叫んで、まひろまで辿り着くと、俺はしっかりとその細い体を抱き締めた。
くそっ!こんな状態の霧島さんを1人置いて行けるかよ。
あ、いるじゃないか。
迫田がこっちに向かって走ってくるのが見えた。
「霧島?どうしたんだ」
「迫田、すまないが霧島さんを頼む。そっちのテーブルで休ませてやってくれ。俺は、行かなきゃいけないんだ」
「え、行くって何処へ?ちょっと、宮本課長!?」
ここから吊り橋までは山道を登らなければ行けない。
まひろの姿は見えないから、かなり先に行ってしまったんだろう。
足場が悪いから、滑ったりして怪我をしてなければいいが。
早く早くと焦るほどに足が岩に取られ、思うように先に進めない。
焦るな、落ち着け……。
それにしても変だな。
修一の目的は一体何だったのか。
翔と菜津美が2人きり?
疑問ばかりが頭に浮かんでは、答えが見つからずに消えていく。
とにかく、今はまひろだ。
アイツ、あの吊り橋を1人で渡るつもりか。
やっと吊り橋が見えてきた。
まひろの姿はない。
どこだ……まひろ!
はあ、はあ、はあ…………。
走ったのと気が焦っていたせいで、息が切れて苦しい。
俺、もうすぐ34歳だし、いつまでも若いつもりではいられないな。
吊り橋に目をやると、まひろがゆっくりと渡っているのが見える。
怖いくせに、勇気を振り絞って……。
翔のために必死になっているまひろの様子を目の当たりにして、胸が熱くなった。
もう俺の出番なんてないと思ってたけど、ここに翔がいないから、今だけは……。
俺にまひろを守らせてくれ、翔。
吊り橋をなるべく揺らさないように気を付けながら、それでも急ぎ足でまひろの元へと向かう。
震える足で少しずつ歩みを進めていたまひろだったが、急に立ち止まり、その場に崩れ落ちるようにしゃがみこんだ。
マズい、気を失ったんじゃないか!?
「まひろ!」
小さく叫んで、まひろまで辿り着くと、俺はしっかりとその細い体を抱き締めた。