real face
シュウにぃに先を越されたと悔しがっていたイチにぃは、菜津美と婚約中。
来年の6月に挙式の予定だけど、籍だけは早く入れたいと言っているようだ。
イチにぃ、菜津美にベタ惚れじゃないの!
菜津美と私は中学生のとき、似てるとか言われたりもしたけど、イチにぃは"似てるから"じゃなく"有田菜津美"だから好きになったんだよね。
だから私は従妹として、心から祝福するよ……。
イチにぃもシュウにぃも、幸せになってくれたらいいな。
私も、いつかきっと……。
みんなの笑顔に包まれたウェディングパーティーも終わり、二次会へと向かう人は移動を始め、名残惜しそうに語らう人たちはまだレストランに残っていた。
「まひろ!おい、まひろ!!」
私を呼ぶ声が聞こえて振り向くと、佐伯主任が駆け寄ってきた。
「主任、これから二次会ですか?」
こうして同じ場所にいても、今日は一緒に過ごすことはできなかった。
「ああ。お前は帰るのか?」
「はい。ちょっと今、双子がシュウにぃのとこに行ってて。一緒に帰ろうと思って待ってるんです」
「じゃあ、ちょっと来て。こっちこっち、早く」
「え、あ、ちょっと主任?」
有無を言わさず引っ張られていく。
「今日のメイク完璧。…………可愛い」
「えっ!?」
周りがざわついてるからよく聞こえなかったけど。
『可愛い』って言わなかった?
ねぇ……主任。
「本当はやめとこうと思ってたけど、気が変わった」
そう言いながら、引っ張られて連れて行かれた場所には主任の友達らしき人たちが集まってた。
「こいつら、大学時代のダチなんだ。滅多に会う機会ないから紹介しておこうと思って」
主任とシュウにぃの大学の友達だなんて、どうしよう。
どんな風に挨拶したらいいのか、悩む。
「こちら、俺の部下で……」
「蘭まひろです。初めまして。佐伯主任には大変お世話になっております!」
来年の6月に挙式の予定だけど、籍だけは早く入れたいと言っているようだ。
イチにぃ、菜津美にベタ惚れじゃないの!
菜津美と私は中学生のとき、似てるとか言われたりもしたけど、イチにぃは"似てるから"じゃなく"有田菜津美"だから好きになったんだよね。
だから私は従妹として、心から祝福するよ……。
イチにぃもシュウにぃも、幸せになってくれたらいいな。
私も、いつかきっと……。
みんなの笑顔に包まれたウェディングパーティーも終わり、二次会へと向かう人は移動を始め、名残惜しそうに語らう人たちはまだレストランに残っていた。
「まひろ!おい、まひろ!!」
私を呼ぶ声が聞こえて振り向くと、佐伯主任が駆け寄ってきた。
「主任、これから二次会ですか?」
こうして同じ場所にいても、今日は一緒に過ごすことはできなかった。
「ああ。お前は帰るのか?」
「はい。ちょっと今、双子がシュウにぃのとこに行ってて。一緒に帰ろうと思って待ってるんです」
「じゃあ、ちょっと来て。こっちこっち、早く」
「え、あ、ちょっと主任?」
有無を言わさず引っ張られていく。
「今日のメイク完璧。…………可愛い」
「えっ!?」
周りがざわついてるからよく聞こえなかったけど。
『可愛い』って言わなかった?
ねぇ……主任。
「本当はやめとこうと思ってたけど、気が変わった」
そう言いながら、引っ張られて連れて行かれた場所には主任の友達らしき人たちが集まってた。
「こいつら、大学時代のダチなんだ。滅多に会う機会ないから紹介しておこうと思って」
主任とシュウにぃの大学の友達だなんて、どうしよう。
どんな風に挨拶したらいいのか、悩む。
「こちら、俺の部下で……」
「蘭まひろです。初めまして。佐伯主任には大変お世話になっております!」