real face
「まひろんはいいなァ…。宮本課長からこんなに心配してもらえて。そうですよね、直属の部下ですもんね」

あれ?マズったか?
これじゃ、まひろのために有田さんに近付いたみたいじゃないか!

「部下だし、仕事のためだよ。俺、上司だし!」

「まひろんが羨ましい。同じ部署だと気にかけてもらえるんですもんね……」

俺にとっては同じ部署じゃない方が気にかかるんだけど!
有田さんと同じ部署だったから、個人的に誘ったりとかできなかったし。
誤解してるっぽいよなぁ……。

「まだ異動して間もないのに、やけに打ち解けてるように見えますよ?お昼の会話聞いていてもフランクな関係みたいに思えました。もしかして……」

「ちょっと待って、有田さん。それは、きっと誤解だ。だけど今この場ではその誤解を解くことが出来ないんだ」

まひろから何も聞いていないんだろう、俺たちのこと。
だったら俺が勝手に話す訳にいかないんだよな…。
ああ、じれったいなもう。

< 32 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop