real face
販促イベント① ※佐伯翔真視点
──ゴールデンウィーク明け。
連休明けの出勤日。
朝礼後すぐに課長から呼ばれた。
「販促イベントのヘルプ?」
「ああ。広報部から依頼が来た。お前もよく知ってる、あの"上村女史"が『是非とも佐伯主任にお願いしたい』とさ。来週の日曜日だけど…」
「お断りします」
「即答だな。上村女史から直々に頼まれたんだけどな。現場を仕切るのは、迫田らしいけど」
「元広報だからって、気安く頼まないで欲しいですね。俺が行けば迫田だってやりにくいんじゃないですか。とにかく俺はパスします」
子供向け教育用ゲームソフトの販促イベントなんて、広報にいた時だってやらなかったし。
でも俺の意思と関係なく『課長命令』だとか言われて、やらざるを得なくなるんじゃないだろうか?
「"やりにくい"か。それも一理あるな。迫田の同期のアイツに頼むとしよう。分かった佐伯、下がっていいぞ」
え?いいのか!?
「同期って、誰にやらせるつもりですか?」
「迫田はお前より1年後輩だろ。うちで迫田と同期と言えば、蘭さんしかいないけど」
だからなんでそうなるんだ。
「あの、お言葉ですが。蘭さんは俺のパートナーなんですよ。俺が断った仕事なんだから、彼女も自動的に免除されるんじゃないんですか!?」
「そんなこと言っても、日曜日なんだから休日出勤だし。こういうヘルプ要請では関係ないだろ」
「しかし、蘭さんに子供向けのイベントなんて向いてないと思いますが」
あんな愛想がない女に、何をさせると言うんだ?
子供にもあのツンツンした態度だったら、イベントの成否にも影響しかねない。
「……佐伯。お前はアイツの本質を知らないからな。そう思うのも仕方ない。俺は上村女史からお前を指名されてなかったら、真っ先に蘭さんに打診するつもりだったんだ。ほら、仕事仕事!」
シッシッと追い払われてしまった。
連休明けの出勤日。
朝礼後すぐに課長から呼ばれた。
「販促イベントのヘルプ?」
「ああ。広報部から依頼が来た。お前もよく知ってる、あの"上村女史"が『是非とも佐伯主任にお願いしたい』とさ。来週の日曜日だけど…」
「お断りします」
「即答だな。上村女史から直々に頼まれたんだけどな。現場を仕切るのは、迫田らしいけど」
「元広報だからって、気安く頼まないで欲しいですね。俺が行けば迫田だってやりにくいんじゃないですか。とにかく俺はパスします」
子供向け教育用ゲームソフトの販促イベントなんて、広報にいた時だってやらなかったし。
でも俺の意思と関係なく『課長命令』だとか言われて、やらざるを得なくなるんじゃないだろうか?
「"やりにくい"か。それも一理あるな。迫田の同期のアイツに頼むとしよう。分かった佐伯、下がっていいぞ」
え?いいのか!?
「同期って、誰にやらせるつもりですか?」
「迫田はお前より1年後輩だろ。うちで迫田と同期と言えば、蘭さんしかいないけど」
だからなんでそうなるんだ。
「あの、お言葉ですが。蘭さんは俺のパートナーなんですよ。俺が断った仕事なんだから、彼女も自動的に免除されるんじゃないんですか!?」
「そんなこと言っても、日曜日なんだから休日出勤だし。こういうヘルプ要請では関係ないだろ」
「しかし、蘭さんに子供向けのイベントなんて向いてないと思いますが」
あんな愛想がない女に、何をさせると言うんだ?
子供にもあのツンツンした態度だったら、イベントの成否にも影響しかねない。
「……佐伯。お前はアイツの本質を知らないからな。そう思うのも仕方ない。俺は上村女史からお前を指名されてなかったら、真っ先に蘭さんに打診するつもりだったんだ。ほら、仕事仕事!」
シッシッと追い払われてしまった。