real face

販促イベント②

──日曜日。

今日は広報部からのヘルプ要請のため、休日出勤。
ショッピングモールのイベント会場にて、教育用ゲームソフトの発売イベントに参加しなければいけない。
先週の月曜日に、宮本課長から命じられたのだ。

「ほら、イケメン高校男子を助っ人に呼べばいいだろ?ボランティア精神が養われるぞ」

「でも、それって休日出勤じゃないですか。あ、じゃあ!代休をください!!」

「勿論だ。いつがいい?希望がなければ、よ……」

「翌日の月曜日がいいです!いいですか?」

「あ、ああ。予定通りだ」

何が予定通りだか分からないけど、商談成立。
イケメン双子だけじゃなく、あかりにも手伝ってもらおう!とプランを私なりに考え、当日を迎えた。

「姉貴、今日はいつもと違うんだから……分かってる?」

出掛ける前に鏡台の前で仮面の作成に取り掛かろうとしていると、新が呆れたような顔で見てきた。

な、なによ。

「いつもの厚化粧はやめろよ?子供相手のイベントなんだから。ケバいと嫌がられるぞ」

「だって!会社の人もいるのよ!?」

「あんまり接点のない人たちなんだろ?鬼主任に会うわけじゃねーんだから」

そりゃそうだけど。

「わ、分かったわよ……」

「本当に?ナチュラルメイクだぞ?そうじゃないと俺、行かないからな!」

「え、それは困る!ちゃんとするから!!」

広報部の女課長、上村女史がイケメン高校男子の助っ人を楽しみにしてるらしいんだから。

「じゃ、あかりにもチェックしてもらう。あかりのOKがないとダメだ」

その後、新とあかりから2回もダメ出しされ、なんとかナチュラルメイクを完成させることができた。
私的には素顔と然程変わらないような気がして、かなり不安。

新と信は母の病院に寄ってから来ることにしたので、私とあかりは先に2人でイベント会場のあるショッピングモールへ向かった。



「おはようございます、迫田さん。今日は宜しくお願いします」

「蘭さん、おはよう。こちらこそよろしく!同期なんだから楽にいこうよ。そちらは、妹さんかな?」

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