real face
何を言っているんだ、修。
まさか、イチにぃまでなのか!?
嘘だろ……。

「意気地無しで結構だ。自分の幸せは自分で決める。お前にとやかく言われることじゃない。あっちにはいつ戻るんだ、修一」

「明日の朝イチの飛行機で。今日は久し振りに家族揃って晩飯食おうぜ、兄貴。親父も早く帰るってさ。俺、確かに伝えたからな。聞いてなかったってのは無しだぞ」

「了解。母さんに後で電話しとく。それじゃ、例の件については佐伯に任せるから宜しく頼む。また今夜会おう」

「分かったよ。ココって社食じゃなくて"シャ食"だったっけ?美味かった。またシャイニングで打ち合わせするかもしれないし、その時には是非。今度はまひろと一緒がいいけど。兄貴、翔、じゃあな。」




「まさか、叔父さんだけじゃなくて修一が関わってくるとはな。これはマズイな。修一のやつサプライズとか言ったけど、俺が警戒するのを読んでたんだな」

「俺も何も知らなくて驚きましたけど。何をそんなに警戒してるんですか?」

「6年も離れてて少しは冷静になったかと思えば、未だにまひろへの想いを拗らせてるみたいだな。他の女で気を紛らせながらも、まひろに会えない辛さを我慢してたんだろう。反動で何をしでかすかと考えると怖いな」

「そんなに思いつめてるのか。でも別に犯罪を犯す訳でもないでしょう。問題あるんですか?」

「大有りだよ!!翔には理解出来ないかもしれないけど、蘭家と宮本家には複雑な問題があるんだ。アイツも分かっているはずなのに。意固地になってるとしか思えないんだよな俺には」

複雑な問題……か。
俺が立ち入っても大丈夫なのか?
否応なしに巻き込まれつつあるような気がしてならないが。

「こりゃ早いトコなんとか策を講じないと。よし!緊急ミーティングするぞ!!お前の今週の予定はどうなってる?ノー残業デーもう申告済みか?」



「ワーセクとの会議が明後日から立て続けなんで、明日ノーザン予定ですが」

俺も蘭さんもな。

「よし分かった!じゃ俺も明日ノーザン申告する。終業後、俺のマンションに集合な!」

一体なんのミーティングなんだ……?


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