real face
シュウにぃが今日からこっちの蘭事務所に居ると聞いた。
まだ私はシュウにぃに会ってはいない。
もしかして会社に来たりして…なんて緊張してみたけど、取り越し苦労だったようでちょっと拍子抜け。
イチにぃがあんなに大騒ぎする程のことはなかったんじゃないかって思ってしまう。
電話だって掛かって来る気配もない。
私って自意識過剰?
今日は残業というほど遅くなった訳じゃないけど、当たり前のように佐伯主任が送ってくれた。
こうして一緒に歩いていても会話が弾む訳でもないし、傍から見たら"過保護な上司が部下を仕方なく送り届けるの図"って感じだよ。
マンションの前、この前イチにぃが車を停めていた道路沿いの歩道でいつも別れるのが定番になりつつある。
マンションのエントランスまではちょっと距離がある、この場所で。
「主任、今日も送っていただいてありがとうございました」
ペコッとお辞儀して最後の一言『お疲れさまでした』を言おうとしたその時
「蘭さん。今夜はシフト入ってる?」
へ、シフト?
「シフトってもしかして、食事当番のことですよね。なんで知ってるんですか!」
「いや……。もしまだ時間あるなら、そこの公園でコーヒーでもどう?」
「今日は母がシフト入ってくれたんで、急がなくて大丈夫ですけど」
「俺が飲みたくなったから、ちょっとだけ付き合って」
そう言うと、返事も聞かずに歩き出す主任。
マンションのすぐ隣に公園があって、自動販売機とベンチが見える。
今日はどうしたんだろう、主任。
ただ黙って着いていくと、自販機でコーヒーを選んでいた。
「蘭さんは、どれ?自分で選んで」
「じゃあコレ。いただきます」
主任はブラックだったけど、私はカフェオレを選んだ。
ベンチに腰かけ、カフェオレを一口飲むと口の中に甘さが広がりホッと息を吐いた。
佐伯主任もコーヒーを一口飲んで、何か考えているような表情を見せた。
ベンチに並んで座っている主任と私。
まだ私はシュウにぃに会ってはいない。
もしかして会社に来たりして…なんて緊張してみたけど、取り越し苦労だったようでちょっと拍子抜け。
イチにぃがあんなに大騒ぎする程のことはなかったんじゃないかって思ってしまう。
電話だって掛かって来る気配もない。
私って自意識過剰?
今日は残業というほど遅くなった訳じゃないけど、当たり前のように佐伯主任が送ってくれた。
こうして一緒に歩いていても会話が弾む訳でもないし、傍から見たら"過保護な上司が部下を仕方なく送り届けるの図"って感じだよ。
マンションの前、この前イチにぃが車を停めていた道路沿いの歩道でいつも別れるのが定番になりつつある。
マンションのエントランスまではちょっと距離がある、この場所で。
「主任、今日も送っていただいてありがとうございました」
ペコッとお辞儀して最後の一言『お疲れさまでした』を言おうとしたその時
「蘭さん。今夜はシフト入ってる?」
へ、シフト?
「シフトってもしかして、食事当番のことですよね。なんで知ってるんですか!」
「いや……。もしまだ時間あるなら、そこの公園でコーヒーでもどう?」
「今日は母がシフト入ってくれたんで、急がなくて大丈夫ですけど」
「俺が飲みたくなったから、ちょっとだけ付き合って」
そう言うと、返事も聞かずに歩き出す主任。
マンションのすぐ隣に公園があって、自動販売機とベンチが見える。
今日はどうしたんだろう、主任。
ただ黙って着いていくと、自販機でコーヒーを選んでいた。
「蘭さんは、どれ?自分で選んで」
「じゃあコレ。いただきます」
主任はブラックだったけど、私はカフェオレを選んだ。
ベンチに腰かけ、カフェオレを一口飲むと口の中に甘さが広がりホッと息を吐いた。
佐伯主任もコーヒーを一口飲んで、何か考えているような表情を見せた。
ベンチに並んで座っている主任と私。