私のひみつ
とりあえず、けんちゃんに連絡してみよう・・・。
絶対に、絶対に、絶対にまた怒られるけど。
けんちゃんは、同じ大学に通う2つ上の先輩でもあり、私と同じ能力をもつ仲間でもあるから私の正体ももちろん知ってる。
私たちの能力は、生まれてすぐに発覚することがほとんど。
能力がわかった時点で政府に身柄を確保されることになっている。
身柄を確保っていうとなんか牢屋みたいなとこを想像すると思うんだけど、むしろ逆。
後に国に仕える大切な財産として、
専属のお世話がかりさんに育てられる。
男の子は15歳まで、女の子は18歳まで、国の宿舎で集団で育てられる。
そして使えない能力や能力の遺伝が弱い個体は親元に帰される。
もちろん義務教育って呼ばれる年齢までは、この能力のことや、とにかく他言しないこと、
能力をもつ人間としての振る舞い方や能力を使った・・・
まぁそんなことをずーっと教育される。
高校生になるときに、
人間らしい振る舞い方の試験に
合格した個体は、政府の
管理下のもと社会にでて高校に
通うことができるんだよね。
だから、私も普通の世界に出てからは実は5年目。