【B】箱庭の金糸雀 ~拗らせ御曹司の甘いぬくもり~
22.幸せが告げるメロディー - 光輝 -
如月との結婚式が無事に終わった夜、
ようやく俺の中で如月と心が一つに慣れた気がした。
朝、二人で毛布に包まったまま目覚めた俺たちは、
どちらから言うまでもなく、
そのままもう一度、体を繋げた。
「もう~」
如月はそう言って、
俺の腕の中で声をあげる。
「何?嫌なの?」
「別に嫌だって言ってない」
「だったら?いいだろう?
どれだけ我慢したと思ってんだよ」
そう……今日を迎えるまでに、
どれだけ我慢をしてきただろうか。
だからこそ……如月に触れるのが最初は怖かった。
理性がコントロールできなくなるような気がして。
「知ってる……。
だって我慢してたのは光輝だけじゃないもん。
アタシもこうして、触れて欲しかった……。
だから幸せだよ」
俺の腕の中で眠りながら、
こんな可愛いことをサラっと言ってしまう如月。
本当に天然なんだから。
だけどそんな如月の言葉が愛おしくてたまらない俺も存在する。
「チェックアウト迄、もう一回しようか?」
「バカっ」
そう言って今度は枕を投げつけてくる。
「ふふっ。冗談だよ」
そう言って余裕の笑みを浮かべながら、
如月に言ってみるけど……如月は、
そういった俺に頬を膨らませてながら浴室へと向かっていった。