【B】箱庭の金糸雀 ~拗らせ御曹司の甘いぬくもり~

22.幸せが告げるメロディー - 光輝 -


如月との結婚式が無事に終わった夜、
ようやく俺の中で如月と心が一つに慣れた気がした。

朝、二人で毛布に包まったまま目覚めた俺たちは、
どちらから言うまでもなく、
そのままもう一度、体を繋げた。



「もう~」



如月はそう言って、
俺の腕の中で声をあげる。


「何?嫌なの?」

「別に嫌だって言ってない」

「だったら?いいだろう?
 どれだけ我慢したと思ってんだよ」


そう……今日を迎えるまでに、
どれだけ我慢をしてきただろうか。

だからこそ……如月に触れるのが最初は怖かった。

理性がコントロールできなくなるような気がして。


「知ってる……。

 だって我慢してたのは光輝だけじゃないもん。
 アタシもこうして、触れて欲しかった……。

 だから幸せだよ」


俺の腕の中で眠りながら、
こんな可愛いことをサラっと言ってしまう如月。

本当に天然なんだから。

だけどそんな如月の言葉が愛おしくてたまらない俺も存在する。



「チェックアウト迄、もう一回しようか?」

「バカっ」


そう言って今度は枕を投げつけてくる。


「ふふっ。冗談だよ」


そう言って余裕の笑みを浮かべながら、
如月に言ってみるけど……如月は、
そういった俺に頬を膨らませてながら浴室へと向かっていった。


< 102 / 115 >

この作品をシェア

pagetop