【B】箱庭の金糸雀 ~拗らせ御曹司の甘いぬくもり~



「二人で話し合いまして婚姻する運びとなりました。
 つきましては挙式前ではございますが本日より如月さんとの同棲生活をお許しいただけますでしょうか?

 入籍・挙式に向けて少しでも早く準備をする時間が必要となります。
 そして如月さんにも、三杉の家のことを学習して頂かないといけませんので」

「えぇ、そう言うことでしたら。
 ねぇ、貴方、お父様……。

 あの如月を包み込んでくださる方にお逢いできるなんて、お断りしたらバチが当たりますよ」


そう言って、ババアは嬉しそうに承諾する。




「光輝……」

「もう決めたことです。
 入籍も早い方がいい。
 すぐに新田に書類を支度させて、署名捺印します。
 両家ともお父様に、証人欄へのご署名を後日お願いいたします」



そう言うと、深々と頭を下げた。




そして解散になったアタシたちは両家の家族を見送って、
再び、あの豪華な部屋へと移動した。


 
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