ディモルフォセカの涙
昼食には遅く、夕食にはまだ少し早い時間。テーブルに運ばれてきたケーキとお紅茶のセットを私達は食しながらさっきの話の続きをする。
二人が一緒に暮らすには、いろいろと面倒なことがあると告げる私に、実花さんは「そっか、それならしかたないね」と、あまりにも呆気ない返事をした。私は、実花さんはもっと残念がると思っていたので拍子抜けしてしまう。
「面倒なのは、ごめんだね」
「ごめんね」
「ユウが謝ることないよ
それに一緒に住めなくても
毎日、お互いの家を行き来すれば
済む話だよね
うんうん、それがいい、そうしよう」
一緒に暮らせないことをとても残念に思っているのは、私だけだったりする。----実花さんは、モンブランのケーキを美味しそうに頬張る。
カフェで休んだ後、もう一度さっきの雑貨店に戻って私達は買い物をしていた。
「ユウ、ごめん
これ、持っててくれる」
「うん、どうかしたの?」
「さっきのトイレに
化粧ポーチ、忘れて来たみたい
見て来るから買い物してて」
「うん」
すると、しばらく経って実花さんは戻って来た。昨日、買い替えたばかりのお気に入りの口紅を無くさずに済んで良かったと、彼女は微笑んだ。
ショッピングを終えた私達が建物の外に出ると、辺りはもう夕暮れ時----冷たい風がヒューッと強く吹くと地面の土が舞い上がる。スカートを履いた二人の足元に、容赦なく舞った土がビシバシッと当たる。
二人が一緒に暮らすには、いろいろと面倒なことがあると告げる私に、実花さんは「そっか、それならしかたないね」と、あまりにも呆気ない返事をした。私は、実花さんはもっと残念がると思っていたので拍子抜けしてしまう。
「面倒なのは、ごめんだね」
「ごめんね」
「ユウが謝ることないよ
それに一緒に住めなくても
毎日、お互いの家を行き来すれば
済む話だよね
うんうん、それがいい、そうしよう」
一緒に暮らせないことをとても残念に思っているのは、私だけだったりする。----実花さんは、モンブランのケーキを美味しそうに頬張る。
カフェで休んだ後、もう一度さっきの雑貨店に戻って私達は買い物をしていた。
「ユウ、ごめん
これ、持っててくれる」
「うん、どうかしたの?」
「さっきのトイレに
化粧ポーチ、忘れて来たみたい
見て来るから買い物してて」
「うん」
すると、しばらく経って実花さんは戻って来た。昨日、買い替えたばかりのお気に入りの口紅を無くさずに済んで良かったと、彼女は微笑んだ。
ショッピングを終えた私達が建物の外に出ると、辺りはもう夕暮れ時----冷たい風がヒューッと強く吹くと地面の土が舞い上がる。スカートを履いた二人の足元に、容赦なく舞った土がビシバシッと当たる。