ディモルフォセカの涙
「いつものお土産のお返し
あけてみて」
お土産のお返しを貰って驚く私は、袋を開けて中身を取り出す。そして、今以上にもっと驚くのだった。----だって、私が欲しいと思っていた、あのトルソーが着ていた洋服だったから。
「うそ……」
「喜んでくれたみたいね」
「喜ぶも何も、だめだよ
こんな高価な物、頂けない
わたしのお土産なんて
いつもどうでもいい
安いものばっかりなのに
食べて終わりだし……」
「うれしかったよ
ユウが私のために選んで来てくれて
このチョコ缶だってものすごーく
うれしい
だから、私のほんの気持ち
頂けないだなんて言わずに
受け取ってよ」
「でも、それとこれとは違う
お返しなら晩御飯のパスタでいいよ」
「ユウ、私があなたのために
選んだものだよ
貰ってくれるよね?」
「うん、ありがとう、大切にするね」
いつものお土産のお返しだと実花さんは言うけれど、これは、クリスマスプレゼントとしてもらったことにしよう。実花さんにも、ちゃんとクリスマスまでにお返ししよう。
欲しいと思っていた洋服をこの手にした喜びだけでなく、実花さんが私のためにわざわざ洋服を買いに行ってくれたことが私は嬉しくてたまらない。
「ミカ、このプレゼントだけど
いつ買ったの?」