ディモルフォセカの涙
欲するもの愛す♦実花
ここは、『オステオスペルマム音楽教室』
本日の授業を終えた私はホッとする間もなく、ワークショップに向けての準備に追われている。
ついさっき届いた荷物を開けると、園児達に当日渡す贈り物が袋に分類されて入っている。私はそれを袋から出して個々に組み合わせては、これからひとつずつ丁寧にラッピングしていく予定。
作業に取り掛かろうとしたその時、スマホが鳴った。
スマホには、『ドレス着たよ』の文字----『恥ずかしい』の文字が続く。
ユウさんから送られてきたメッセージにはドレス姿、正確にはドレスの部分しか映っていない。
『全部、見たい』とメッセージを返すと次に送られてきた写真も、これまた同じ、顔が映っていない。
「そうじゃないってば!」
写真に写るドレスの胸元は大きく開き、ユウさんの首元、そこにはもう何もない。
あの日、私がユウさんの首筋につけた印、赤い花は数日経つと跡形もなくきれいに消えていた。
あの時、私は私を見つめるユウさんの甘い瞳に酔いしれ、沸き立つ衝動を押さえられなかった。
私はあなたに惹かれ、あなたを心から欲しいと想った。
今まで欲しいと思ったのは、この世にただ一人、貴方だけだった。
貴方……
本日の授業を終えた私はホッとする間もなく、ワークショップに向けての準備に追われている。
ついさっき届いた荷物を開けると、園児達に当日渡す贈り物が袋に分類されて入っている。私はそれを袋から出して個々に組み合わせては、これからひとつずつ丁寧にラッピングしていく予定。
作業に取り掛かろうとしたその時、スマホが鳴った。
スマホには、『ドレス着たよ』の文字----『恥ずかしい』の文字が続く。
ユウさんから送られてきたメッセージにはドレス姿、正確にはドレスの部分しか映っていない。
『全部、見たい』とメッセージを返すと次に送られてきた写真も、これまた同じ、顔が映っていない。
「そうじゃないってば!」
写真に写るドレスの胸元は大きく開き、ユウさんの首元、そこにはもう何もない。
あの日、私がユウさんの首筋につけた印、赤い花は数日経つと跡形もなくきれいに消えていた。
あの時、私は私を見つめるユウさんの甘い瞳に酔いしれ、沸き立つ衝動を押さえられなかった。
私はあなたに惹かれ、あなたを心から欲しいと想った。
今まで欲しいと思ったのは、この世にただ一人、貴方だけだった。
貴方……