ディモルフォセカの涙
「ムリだ」
「私のためには早く出てこれない?」
ものすごーく呆れた顔をする、貴方。悪いけど、私にはその表情さえも魅力的に映る。
「どうして、俺を待つ?
何、なんかようでも?」
「ユウさんと会うでしょう?
私、見張ってるの」
「ご勝手にどうぞ
俺は、俺の好きに帰るだけだ
煩わしいよ、おまえ」
「おまえって言われた
初めてじゃないかなぁ?
前にも言われたことあったかな~」
「それがどうした」
「親近感沸くなぁ~と思って
だってあなたってユウさんと話していても
どこか他人行儀なところあるでしょう
気を許していない感じ、普通従妹なら
もっと砕けて話せるはずじゃない
一線弾いてる感じ……」
「うるさいよ、おまえ
俺の前から消えてよ」
ひどく冷めた視線に荒い口調、私は本気で貴方を怒らせてしまったみたい。
それなのに、貴方はどうしてそんなにも悲しい顔をするの?
私の何気ない一言が、貴方を傷つけてしまった。
「何、怒ったの?
ごめんなさい
待って、あっ!」