ディモルフォセカの涙
見つめた先にはもくもくと煙が立ち込め、美味しそうな匂いが購買欲をそそる。いつもの焼き鳥屋さん、この店の構え、昔ながらの雰囲気がとても和めて大好きで私達はここをよく利用している。
その店先で屯する連中は、彼方のバンド仲間たち。彼らの艶やかな装いと古風なお店とのギャップに違和感を覚える。
「……派手な野郎ばっかだなと
思ってね
女はいないの?」
「何言ってるの」
「カナタ、おせえよ
いつまで待たせるんだ」
「なんでいるの?」
手に持っているそれぞれのスマホを上下左右に揺らしてみせる仲間たち。
「ユウ?」
「うん、さっき連絡しといたの
カナタの瞑想中に」
「余計なことを」
「一番先に出て、(到着が)今だっつうのは
なぜだ?」
「さあね」
みんなが揃ったところで、私達は一緒にぞろぞろと店内へ入る。するといつもの、陽気な店主の大きな声が響き渡る。
「いらっしゃい、中、どうぞ」
お世辞にも広いとは言えない店の奥、お客が座るカウンター席の後ろギリギリを歩いて二つある座敷に分かれて座る。入った順番に席につくと壁にペタペタと貼られたメニューに目をやる者もいれば、座った途端に御手洗へと立つ者もいる。
その店先で屯する連中は、彼方のバンド仲間たち。彼らの艶やかな装いと古風なお店とのギャップに違和感を覚える。
「……派手な野郎ばっかだなと
思ってね
女はいないの?」
「何言ってるの」
「カナタ、おせえよ
いつまで待たせるんだ」
「なんでいるの?」
手に持っているそれぞれのスマホを上下左右に揺らしてみせる仲間たち。
「ユウ?」
「うん、さっき連絡しといたの
カナタの瞑想中に」
「余計なことを」
「一番先に出て、(到着が)今だっつうのは
なぜだ?」
「さあね」
みんなが揃ったところで、私達は一緒にぞろぞろと店内へ入る。するといつもの、陽気な店主の大きな声が響き渡る。
「いらっしゃい、中、どうぞ」
お世辞にも広いとは言えない店の奥、お客が座るカウンター席の後ろギリギリを歩いて二つある座敷に分かれて座る。入った順番に席につくと壁にペタペタと貼られたメニューに目をやる者もいれば、座った途端に御手洗へと立つ者もいる。