飛び降りて、一緒に死のっか。
「素敵かなぁ?」
「素敵だよ」
「久しぶりに、名前呼んでもらえた」
「和嘉乃の久しぶりになれて嬉しい」
緑ってば、変なの。
私なんかのことで、嬉しいだなんて。
「緑も、素敵な名前 」
「ありがとう」
私たちは目を合わせてまた笑い、そして表情を壊した。
「なんで死のうと思ったの?」
「……誰にも、愛してもらえなかったから。そっちは?」
「女の人に、愛されすぎて殺されかけ続けてるから。……家にまで押しかけてきて、俺を殺そうとするの。
永遠に一緒がいいんだって」
「愛されすぎるのも、よくないんだね」
「そうみたい」
私たちは、傷を舐めあうことなどせずに、ただ淡々と聞いて、話して、おしまい。
……そして、すぐに死ぬつもりだった。
だけど。
本音がぼろぼろこぼれ落ちて、拾うことが間に合わない。