飛び降りて、一緒に死のっか。
「私たち……世界はこんなに広いのに、どこにも居場所がないんだよ」
「……そうだね」
「悲しい?」
彼は、太陽の光を吸い込んで……私の好きなミドリイロの綺麗な瞳を、していた。
「んーん。べつに。どっちかっていうと……」
「どっちかっていうと…… ?」
「……やっぱり、言わない」
彼のサラサラの髪が、風にさらわれて……私はまたひとりぼっちになるのかと、思った。
「私やっぱり……だめかも。もう、生きてけない。もう……もう。誰にも愛されないで生きてきたって……かえって素敵じゃない?」
「……うん」
「すきなひとに、愛されたい。愛されたいけど……恋愛的な愛、だけじゃなくて……優しさも、ほしい」
彼がさらわれた髪を、耳にかけ直して……私をひとりぼっちにしないで、くれていた。