【番外編】ないじつコンブリオ
「見返してやりたいかぁーっ!」
とんがり帽子をかぶり、マントをしている、如何にも魔法使いの風貌の女性が立っていたのです。
彼女は、拳を突き上げ、何度も同じ台詞を叫んでいました。
「見返してやりたいかぁーっ!!」
「あ、あの……近所迷惑なんで……」
「見返してやりたいかぁ!」
「は、はいっ……!」
ハナの同意だけを求めていた魔法使いは、ニッコリと笑顔になり、ハナの肩をがっしりと掴みました。
「私は、魔法使いモリオちゃん!頑張り屋やのに、いつも報われやんハナのために、特別な魔法をかけてあげます!」
「それは、あ、ありがとうございます……」
「いつも報われない」は大きなお世話だ、と思いつつ、ハナはモリオちゃんを受け入れました。