【番外編】ないじつコンブリオ
すると、モリオちゃんはどこからともなく、先の方に星のついたステッキを取り出しました。
それを振りかぶると……
「そぉぉりゃあー!」
勢いの良い声と共に、風が巻き上がりました。
ハナが目を開けると、信じ難いことが起きていたのです。
「わ、すごい……お父さんからもらったドレスだ……」
「破れていたのを繋ぎ合わせて、ハナに着せてみました!ちょっと、ほつれてるところがあるかも……そこは、ごめんして!」
「あ、ありがとう……」
安堵に似たものが、涙を連れて込み上げてきました。
すると、モリオちゃんは気まずそうに口を開きました。
「私は半人前の魔法使いやから、すぐに魔法が、解けてしまうかもしれやんのさ。やもんで、12時頃かなー、それくらいには戻っておいでな!」
「うん……わかった。本当にありがとう」
「いえいえ!……あれ?」
モリオちゃんは、不思議そうにハナの足下を見つめました。