【番外編】ないじつコンブリオ
辿り着いた家の呼び鈴を鳴らすと、あの時とは違う娘が出てきました。
「お前、誰?何の用?牛乳なら、有り余ってます」
「礼儀の無ぇ娘だな。この靴にぴったりの足を持つ娘を探している。それはそれは、美しい娘だ」
「何?なら、おれ……私のことだな。どれ、履かせてみろよ」
クリヤマさんは絶対違う、と思いながらも、生意気な口の悪い娘の足に、無理矢理に履かせてみたのです。
「いだだだだだだだ!」
「ほれみてみろ。違うじゃねぇか。そもそもお前、美しくねぇよ」
「あの……」
痛がる生意気な娘の後ろから、昨日の娘が現れました。
「自分も履いてみても良いですか…?ものは試しということで……」
「も、もちろんです!」
「なんだよ、こいつ。お…私の時と全く態度が違うじゃねぇかよ。つーか、ブスで足のでかいハナに、履けるわけねぇだろうが!」
ハナが、クリヤマさんの前にそっと立て膝をつきました。
クリヤマさんは、ハナに靴を履かせようとしましたが、ハナはそれを止めたのです。