セカンドラブは魔法の味
「からかってんじゃねぇよ! 」
と、心優は幸弥の手を振り払った。
「心優さん・・・」
「ふざけんな! ちょっと、偉いからってからかって遊んでんじゃねぇよ! 」
「僕はふざけても、からかってもません。本気です」
「んなわけねぇだろ! 私みたいな奴、好きになる奴なんかいねぇし・・・」
「どうしてですか? 貴女は、とっても優しい人ですよ。僕には分かります」
「う、うっせぇ! あんたなんか、大嫌いだよ! 」
そう叫んで、心優はその場から走り去った。
「あ、心優さん! 待って下さい」
幸弥は心優を追いかけた。
「心優さん、待って下さい。どうして逃げるんですか? 」
心優を追いかけながら幸弥が言った。
だが心優は幸弥の言葉を無視して階段を下りて行く・・・。
途中の階で、心優は幸弥を巻くために資料室に隠れた。
幸弥は気づかずそのまま階段を下りて行った。
幸弥が階段を下りて行ってから、暫くして。
心優は資料室から出て来た。
愛想のない顔をしている心優だが、驚いた目をしていた。
突然、幸弥から告白されるなんて夢にも思っていなかった心優。
だが・・・
なんとなく、心優も胸がキュンとなっていた。
「どうせ、からかっているだけ・・・」
そう言い聞かせて、心優はその場から去って行った。
その日は諦めて帰った幸弥。
それからしばらくは、幸弥と心優は会う事がなかった。
幸弥はずっと心優が気になり、何とかもう一度会いたいと思っていた。
あまり病院にしつこく行くことはできにないし。
心優の勤務は不規則で、いつ帰るのか判らない。
病気や怪我をしない限り、病院には行くことはないし。
どうしたら会えるだろうか?
そんな事を考えていたある日。