セカンドラブは魔法の味
「お父さん、先生。とっても綺麗な人だね」
「え? 」
「だって、すごく綺麗な目をしているよ。あのマスクはね、先生が自分を護る為なんだよ」
「自分を護る? 」
「うん。でも大丈夫だよ、お母さんがちゃんと先生の事護ってくれているから」
「お母さんって、ハルの事かい? 」
「うん。だって、先生の中にお母さんがいたもん」
とても嬉しそうに笑っている涼子。
幸弥にはまだ、この時は涼子が言っている意味が良く分らなかった。
その後。
茜がやってきて、幸弥は仕事に向かった。
茜は相変わらず若々しいままで、髪もちゃんと黒く染めていて、綺麗にまとめている。
今でも件数は減らしたが、弁護士の仕事は引き受けている。
どうしてもできない分は、幸弥に引き継いでもらっている。
紺色のジャケットにピンク色のブラウス、そして紺色のタイトスカートに黒いパンプス。
ちゃんとした格好の茜。
涼子は本を読みながら、とてもご機嫌に笑っている。
「どうしたの? 涼ちゃん、とっても嬉しそうね」
茜が尋ねると、涼子はまた笑顔になった。