セカンドラブは魔法の味
翌日。
幸弥は春子のお墓に行く事にした。
毎日仏壇に手を合わせてはいるが、お墓に行くのは久しぶりである。
春子のお墓は光友市内の墓地にある。
ちょっと小高い見晴らしの良い場所で、落ち着いた雰囲気。
空は晴天で気持ちの良い青空が広がっている。
京坂家の墓。
春子の名前も、10年前の日付て刻まれている。
幸弥が来る前に先客がいた。
心優が来ていた。
心優は毎月、春子の命日には手を合わせに来ている。
「春子さん。・・・貴女にはとても感謝しています。あの時、輸血してくれた事は今でも忘れていません。・・・なのに、助けてあげられなくて。本当にごめんなさい」
手を合わせている心優の目が潤んでいる。
「あら? 誰? 貴女」
後ろから声がして心優が振り向くと、そこには幸弥ので事務所で雇われている真子がいた。
お墓に来るにしては派手な赤いミニスカートに、黒いピッチリしたブラウスに、高級ブランドのバッグ。
ハイヒールを履いて、どこかのホステスの様である。
「もしかして、先生の知り合い? 」
見下した目で心優を見て、真子はクスッと笑った。