セカンドラブは魔法の味
「気を付けないとだめだよ。体調が悪いときは、素直に休んで。大怪我したら、やりたい事も出来なくなるよ」
「すみません」
春子は心優を見て、優しい笑顔を向けてくれる。
心優は右頬から口元にかけて、酷い火傷の跡が残っている。
そして左目元にも火傷の跡が残っている。
誰もがそんな心優を見ると、気味が悪いと言って非難していた。
だが春子はとても優しくしてくれて、そんな気持ちが心優は嬉しくて、初めて人の優しさに触れたような気がした。
それから2年後。
心優はようやく研修医を経て一人前の医師へ歩き出していた。
そんな時。
事故で大怪我をした春子が運ばれてきた。
心優は春子の事を良く覚えていた。
何とか助けたいと、全力を尽くした。
手は尽くしたものの、危篤状態のまま安定しない春子。
家族が来るまで付き添っていた心優。
苦しい中、春子は目を覚まして心優を見た。
「・・・先生・・・もしかして・・・あの時の子? 」
弱々しい手を伸ばしてくる春子。
心優は春子の手をそっと握った。