セカンドラブは魔法の味
幸弥のお気に入りのイタリアンの店で食事をして。
駅前のタワーで夜景を見て。
あっと言う間に時間時過ぎてしまう・・・。
「あの、そろそろ帰ります」
心優が言った。
時間はもう22時を過ぎていた。
「明日はお仕事? 」
聞かれて心優はドキッとした。
「あ、いえ・・・明日は休みです・・・」
「そっか。僕も休みだよ」
そう言って、幸弥はギュッと心優を抱きしめた。
「ねぇ。もう、一緒にいよう。離れたくないから」
「そ・・・そんな事・・・」
「娘も大賛成してくれているよ。何も遠慮しないでいいから」
そう言われても今一歩踏み出せない心優。
「とりあえず、今日は僕の家に行こう」
「え? 」
驚く目をする心優に、幸弥はニコッと微笑んだ。
「心優さんの家でもいいよ」
「あ、うちは・・・随分と散らかっていますから・・・」
「じゃあ、僕の家でいいよね」
断らなくちゃいけない気持ちと、まだ一緒に痛い気持ちが重なって。
心優は何も言えなくなってしまった。
まだどこかで引き止める気持ちがある心優だが。
幸弥に押されて家まで来てしまった。