セカンドラブは魔法の味
幸弥と一緒に駅前のショッピングモールに買い物に来た心優。
ショッピングモールに来る事なんて、心優はあまりない。
いつも近場のスーパーで買い物は済ませて、日用品はドラックストアで済ませて、服はほとんど買わない。
靴もスーパーなどでバーゲンで売っている物を買うくらいだった。
大きなショッピングモールに来た心優は、迷子にならないかちょっと不安だった。
「ねぇ、心優。マスク、とっていい? 」
「あ・・・でも・・・」
「こんなに人がいるんだよ、誰が見てたって気づかないよ」
と、幸弥は心優のマスクをとった。
なんとなく俯いてしまう心優。
そんな心優の手を握って、幸弥は歩き出した。
まず初めに。
幸弥は女性用のヘヤーアクセサリー売り場で、ヘアピンを買った。
そのヘアピンで、心優の長い前髪を止めて見た。
いつも隠れいている心優の左目がハッキリ見える。
火傷の跡はすっかり消えている。
「とってもいいね。これからは、もう、前髪上げてていいよ」
驚いた目をしている心優だが、なんだか嬉しそうな目をしてる。