セカンドラブは魔法の味
次に向かったのは。
「うん、これがいいよ」
幸弥が可愛いデザインの茶色いワンピースを手に取った。
「ねぇ心優。これ着てみて」
「え? そ、そんなの無理です。着た事ないし・・・」
「いいから、いいから」
幸弥に背中を押されて、心優は試着室に入った。
しばらくして、試着室のカーテンを開けてくれた心優。
ワンピースは膝上5センチくらいで、いつも隠している心優の綺麗な足が見えて、とても似合っている。
襟元にちょっとしたフリルも着いていて、袖も長く手首の部分には白いレースがついている。
「わぁ・・・すごく似合っている。可愛い・・・」
幸弥はすっかり見惚れてしまった。
「あの・・・もういいですか? 脱いでも」
「え? ううん、このまま着てて」
「そ、そんな・・・」
心優が戸惑っているが、幸弥は店員を呼んで値札をとってもらい、ササッと支払いを済ませてしまった。
「とってもお似合いですね。可愛い彼女さんで、羨ましいです」
女性店員が言った。
「彼女じゃありませんよ、僕の奥さんです」
「え? そうなんですか? お若いので、てっきり彼女かと思いました」
幸弥と店員さんが話している傍で、心優は恥ずかしそうな顔をしている。
それから服に合わせて靴も買って。
すっかり可愛い女の子っぽくなった心優。
幸弥と心優が歩いていると、通り行く人達が振り向いて見てゆく。
「綺麗な人・・・」
「モデルさんかしら? 」
「一緒の男性も素敵ね」
「いいなぁ、あんな可愛い彼女がいて」
「羨ましいなぁ」
心優は通り行く人の声を聞くと、頬を赤くしていた。