セカンドラブは魔法の味
その晩も心優は幸弥の家に泊まる事になった。
明日は仕事だが、幸弥の家から行く事にした。
涼子も明日から学校に行くことになっている。
涼子はすっかり大喜びして、心優と一緒にお風呂に入ると言って一緒に入った。
そして寝る時も一緒に寝たいと言い出したが、涼子のベッドはシングルで狭いため、一緒に寝る事は諦めた。
涼子が寝た後。
幸弥と心優はリビングでくつろいでいた。
心優の新しいパジャマを買って、いつでも幸弥の家で暮らせる準備をしてホッとしている。
いつも心優はジャージをパジャマにしていたが、改めてパジャマを買ってみると恥ずかしいながらも、やっぱり心地よいと感じていた。
シンプルな可愛いデザインのパジャマの心優を見ると、幸弥は嬉しくてたまらない。
心優の隣に座って、幸弥はギュッと肩を抱いた。
「嬉しいなぁ。こうして心優が隣にいてくれるから」
「私も・・・誰かと一緒にいる事が、こんなに嬉しく思う事は初めてです。・・・ずっと、1人でしたから」
「ずっとって、いつからなんだい? 」
「住んでいたマンションが火災にあって、その時、父は私と母を助けて大火傷を負って亡くなりました。とても優しい父で、薬剤研究所に勤務していて毎日夜遅くて、顔を見るのは朝だけでした。でも、休みの日はずっと一緒にいてくれて、いろんなところに連れて行ってくれました」
「そうなんだ、どんな人なんだろう」
「父と母の写真、見て見ますか? 」
「うん、見たい」
鞄から手帳を取り出し、中に挟んである写真を幸弥に渡した心優。