セカンドラブは魔法の味
門まで来ると、幸弥が待っていた。
「お疲れ様、すごい荷物だね。大丈夫? 」
「はい、なんだか沢山もらってしまって」
「車で来たから、大丈夫だよ」
そう言って、幸弥は荷物を半分以上持ってくれた。
すぐ傍に車を止めていた幸弥は、荷物をトランクに入れた。
そして助手席のドアを開けて心優を乗せると、シートベルトを着けてくれた。
そのまま運転席に乗って、走り出した。
その様子を少し離れた場所で、秀樹が見ていた。
「ふーん、やっぱりなぁ。あれだけ美人になったんだ、世の男がほっとくわけがないぜ。ま、幸せになったようで安心したぜ」
遠ざかる車を見送って秀樹は去って行った。
退職してから心優はもうマスクをつける事はなくなった。
幸弥が進めてくれて、軽くメイクもするようになった。
基礎化粧だけでも、心優はとても綺麗で。
涼子の学校に行く事もあり、いつも
「あの綺麗な人誰? 」
と、学生達にも言われるくらい。
涼子はいつも心優の事を友達に自慢していた。
「とっても綺麗な人が、新しいお母さんに来てくれたの。腕のいいお医者さんだったんだよ」
何も隠すことなく話す涼子に、周りの友達はとても共感してくれている。
直感の強い涼子は、友達の中でも良い人と悪い人を見極めることが出来て。
トラブルを起こしそうな人は上手く距離を置いていた。
担任の先生もとても感心していて、成績も優秀で何も言う事はないと言われている。