セカンドラブは魔法の味
「食べ過ぎたのかな? 」
フッと一息ついて、心優が呟いた。
「心優さん」
茜がやって来た。
「あ、ごめんなさい。せっかくお祝いして頂いているのに、抜け出してしまって」
「気にしないで、沢山人が居るから疲れちゃうわよね」
「すみません、慣れていないので」
茜は心優の隣に来て、そっと顔を覗き込んだ。
「ねぇ心優さん。この頃、体調悪いとき多くない? 」
「え? 」
「食欲ある? 」
「そう言われると、あまりないような気がします。でも、きっともうすぐ結婚式が近いから緊張しているんだと思いますから」
「熱っぽくない? 」
「あ、それはそうですが。この時期ですから」
「お腹の調子どう? お腹壊したりしていない? 」
「え? 」
なんだか問診されているようで、心優はきょんとなった。
「心優さん、自分の事になるとちょっと鈍感でしょう? 」
「はぁ・・・そうかもしれません・・・」
茜はそっと、心優のお腹に触れてた。
「ねぇ、月のものちゃんと来ている? 」
「そう言えば来ていないかもしれません。ここのところ、環境も変わったので。きっと、そのせいかと思います」
「病院行った方が良いわね。きっと、来てくれたと思うの」
「え? 」
茜は心優を見てそっと微笑んだ。
「赤ちゃん、来てくれたんじゃない? 」
「え??? ま、まさか・・。だって私、もう37歳だし。高齢だし・・・」
「何言っているの。まだまだ若いじゃない。赤ちゃんだって、来てくれてもおかしくないわよ。だって心優さん、前より随分と表情が変わったもの」
まさか・・ありえない・・・
心優はそう思っていた。